海外に行きたがる人材の作り方

「最近の若者は海外に行きたがらなくなってきた」なんていう議論も今や、陳腐化してきたほど、そういう認識が当たり前になってきた感があります。

さて、その真偽はともかくとして、ここで問題になっているのは、グローバルで活躍したい欲、あえて言えば、グローバル欲とでもいうものが、他の国に比べて日本人は、相対的に低いと言い換えた方がより本質的です。

そうだとすると、そもそも日本人はなんでグローバル欲が相対的に低くなってしまったのか?なんでこんなことになってしまったのか?これが気になりますよね。

そこで、よくありがちなのは、今の若者の意識調査をしてその原因をグリグリとあぶりだそうとすると、背景要因が文化的要因とか、社会的背景だとかグチャグチャしてきて、じつはなかなか答えにたどりつかないんですよね。
むしろ、こんなときは、こんな問いかけをしてみた方がいい。

グローバル欲が高い人はどうやってそういう風になったのか?

という問いかけです。そうした人の行動なり習性なりを解き明かして、日本に導入するアプローチをとった方が手っ取り早く答えにたどりつきやすいわけです。

ビジネスブレークスルー大学で、僕が若手リーダーと対談するシリーズがあるのですが、そこにひとつのヒントがありました。

先日は、僕の友人の若手インド人とキャリアについて話をしたのですが、これが実に面白いのです。

彼は、まだ30歳前ですが、今まで働いたことのある国は、インド、オーストラリア、チェコ、南アジア、フランス、ブラジル、ドバイと多 岐にわたります。グローバル通信会社に勤務した後、今はMBAを勉強しつつ現在もコンサルタントとして、ブラジルやインドなどの新 興国を飛び回り、精力的に活動しています。

グローバルビジネスパーソンを絵に描いたような彼ですが、そんな彼ももともとはグローバル欲などなかったというのです。伝統的なインド人家庭に生まれて、家族のメンバー誰一人として海外で働いたことがなかったドメドメ環境だったわけです。まさに多くの日本人と同じ境遇だったのです。

その彼の転機は、大学生のころに所属したアイセックだったのです。アイセックはご存じの人も多いと思いますが、海外留学生のインターンを斡旋する大学生を中心とした団体です。ここに所属すると、否が応でも多くの国籍の人と交わることになります。

彼は、これに味をしめるわけです。こういう異文化環境の中で働く醍醐味を垣間見たわけです。ここではじめてグローバル欲の萌芽がうまれたといえます。

その後通信会社に就職した際、チェコに働く機会があったときに、すぐにそれに手をあげて、チェコ・プラハで働き始めました。彼曰く、「海外で、海外のひとと働くことが大好きになった」。アイセックで育まれた「萌芽」が、チェコでの海外勤務で「中毒」になったわけなのです。その後の彼のキャリアは、「中毒」に任せるがまま、機会があるたびに手を挙げ、世界中をかけ巡って今に至ります。

海外に行きたがる人材の作り方とはなにか?

この二つの転機、すなわち「萌芽を生みだす機会」(彼の場合は、アイセック)と「実践できる機会」(チェコ勤務)をいかに20代半ばくらいまでに経験できるかがカギになりそうです。

これだったら、日本でもまだまだできる余地があるような楽観的な気持ちになってきません?よし、がんばろう!
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2011-02-19 : キャリア論 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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プロフィール

T. Wakasugi

Author:T. Wakasugi
1977年東京生まれ。幼少時はロンドンで過ごす。もともとはバリバリのエンジニア志向で統計モデルを駆使した分析をしていた。ところが、数値ではさばき切れないビジネスや人間の奥深さに気づくようになり、外資系の戦略コンサルティングファームに勤務。社会人向けスクールの講師として人材育成にも携わる。その後、ロンドンビジネススクールに留学し、リーダシップ・組織・心理学について学びながら、欧州生活を家族で謳歌。現在はロンドンで経営コンサルティングと教育プロブラムを提供。ビジネスブレークスルー大学講師。学びは21世紀、最高のエンターテイメントと実感しつつ、日々精進中。最近はヨガ・瞑想にこっています。弱点はお酒が弱いこと。こんな感じですが、よろしくどうぞ。コメント、質問、MBAなどの相談など大歓迎。twk.lbs@googlemail.com

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