輝くためには(その1)

日本に先日帰国した折に、ひとつの勉強会を開催しました。そのテーマは、“一人一人が企業で輝くためには、どうしたらいいのだろうか”というもの。フィンランドを旅行してからというもの、このテーマで議論しなければいけない、そんな切迫感にも似た気持ちがこみ上げてきていたのです。

日本、アメリカ、イギリス、イタリア、フィンランド。この4カ国を一人当りGDP順に並べるとどうなるでしょうか?一人当りGDPとは、いってみれば、一人当りの産み出している富であり、豊かさの指数として使われます。勉強会でも、このクイズを出したのですが、じつは正確に答えられた方はいませんでした。そう、難しいのです。

2007年の最新の統計によると、1位がフィンランド(46,518ドル)。さすが、北欧パワーをみせつけられます。2位がイギリス(46,121ドル)。次はどこでしょうか?日本?いえいえ、次は、アメリカ(45,489ドル)。次は日本?イタリアよりは多いでしょう。いえいえ。次はイタリア(35,430ドル)で、最後が日本(34,326ドル)。参考までに次がスペインです。金融危機によって、為替等の多少の変化はあれど、ザッとこんな感じです。

みなさんのもっている感覚とこの順位は一致しているでしょうか?そう、先進国の中で、全然、豊かな方ではないことに気付かされるのです。

フィンランドはといえば、フィンランド豊かさのメソッド (集英社新書、堀内 都喜子著)でも紹介されているように:

平均的なフィンランドの人々は夕方4時になると仕事を終えサッサと家に帰る。
土日は基本的に仕事をしない。
社会人でも夏休みは4週間以上とっている。
日本では「ゆとり教育」が問題になっているが、同国の学校の授業数は日本よりもはるかに少なく、塾もない。

一方、日本といえば、みなあくせく働いている割りには、年収300万時代、フリーター、ニート、減収減益、高齢化などといいニュースが聞こえてこない。

この差は一体何なのか?こんな勤勉でまじめな国民が、なぜ一人当りGDP低下の一途を辿っているのか?なぜ?そんな素朴な疑問がふつふつと浮かび上がるわけです。

この問題意識を持っていた折に、London Business SchoolのLynda Gratton教授の主張が目にとまったのです。彼女曰く、企業にHot Spot(アツイ場)をつくり、一人一人がGlow(輝く)環境をつくることが、今求められているというのです。


ここで紹介されているフランクとフレッドの逸話はとても面白い。英語は平易で分かりやすいので、ぜひどうぞ。

たしかに、今の日本では、Gratton教授がいうところの、Hot SpotやGlowできる環境というのは減ってきているのかもしれない。経済が成熟してしまい、プロジェクトX的な熱くなれる場所、燃えることのできる場所が減っているのかもしれない。

もしそうだとすると、輝くために、個々人ができること、企業ができることがあるというGratton教授の主張は、日本にとって、大きな意義をもつことになるような気がするのです。彼女は、壮大なことを主張しているわけではなく、ごくごく「そうだよね」と思えることを言っていますが、その内容はまた今度。(続く)

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2009-09-21 : ロンドンビジネススクール留学記 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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おぜきさん

こんにちは。コメントの書き込みありがとうございます!

まさにそうですね。どんな仕事でもGlowできる可能性がある。

その可能性を生かすも殺すも、マネージャーの責任でもあり、個人の責任でもある、ということですよね。

このテーマについて、ぜひ議論を深められればと思います。今度、おぜきさんの経験や感じたことなどぜひ聞きたいと思っています。
2009-09-24 23:23 : twk URL : 編集
No title
いつもお世話になっております。
前回の勉強会はありがとうございました。
Glowについて、最近思う事があります。実は「輝ける場所」というのはどこにでもあるのではないかという事です。
それも、マネジメントがその場所をどうやって提供し、個々の成長について考えるかという事を実践する事で、どんな仕事でもというと語弊があるかもしれませんが、実現可能なのではないかと思います。

要は、考え方と、モチベーションの管理の仕方、そして個人の方向性の問題なのかなと思います。

逆に、どこの仕事、何の仕事でもマネジメント次第では「輝ける場所」を作る事が可能という事です。

このことについて、また日本に帰って来た時にゆっくりお話できればと思います。

ちょっといろいろと実験してみます。
2009-09-23 09:16 : twk URL : 編集
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プロフィール

T. Wakasugi

Author:T. Wakasugi
1977年東京生まれ。幼少時はロンドンで過ごす。もともとはバリバリのエンジニア志向で統計モデルを駆使した分析をしていた。ところが、数値ではさばき切れないビジネスや人間の奥深さに気づくようになり、外資系の戦略コンサルティングファームに勤務。社会人向けスクールの講師として人材育成にも携わる。その後、ロンドンビジネススクールに留学し、リーダシップ・組織・心理学について学びながら、欧州生活を家族で謳歌。現在はロンドンで経営コンサルティングと教育プロブラムを提供。ビジネスブレークスルー大学講師。学びは21世紀、最高のエンターテイメントと実感しつつ、日々精進中。最近はヨガ・瞑想にこっています。弱点はお酒が弱いこと。こんな感じですが、よろしくどうぞ。コメント、質問、MBAなどの相談など大歓迎。twk.lbs@googlemail.com

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